移動型体重計:プロセスを変革して命を救います。

患者の体重を正確に計量することは、投薬量を正しく管理し、適切な治療を施すために不可欠です。しかし、緊急な医療処置を要する患者にとって、これは必ずしも可能ではありません。

NHS ラナークシャー救急隊に所属していた元看護師のジリアン・テイラー氏は、重体患者の体重を簡単かつ迅速にそして正確に計測することができないことに苛立ちを感じ、解決策を見出す決心をしました。

ジリアン氏は、21 歳のときからグラスゴー近くのユニバーシティ・ホスピタル・モンクランズに勤務し、NHS の救急医療看護師が直面している課題のほとんどを実際に見て克服してきました。しかし、重体患者の体重測定の問題はどうしても解決できませんでした。

新規入院患者は、できるだけ早く正確に体重を量る必要があります。2006 年の NICE ガイドラインにも、入院患者には「入院時および週 1 回の体重測定」が義務付けられています。

しかし、例えば患者が敗血症や脳卒中を患った場合などは、従来の病院の体重計では測定できませんでした。当時測定に用いられたのは、ベッドスケールやホイストスケールでした

仕様
  • ひょう量:250kg
  • 目量:500g
  • 電源:充電式内蔵バッテリー
  • バッテリー寿命:50 時間
  • 重量:11kg
  • 寸法:1800 mm x 700 mm x 30 mm
  • 体重測定スペース:1800mm x 510mm
主な機能
  • 93/42/EEC 医療機器指令承認済み
  • 2014/31/EU 非自動重量測定器指令 - クラス III 承認
  • 大きくて明るい体重表示ディスプレイ
  • 持ち運び用ハンドル付
  • 可搬
  • 汚れが除去しやすい素材を表面に採用
  • 体重保持機能

ベッドスケールでの測定は時間がかかり、移動するには大きすぎることがよくありました。一方ホイストスケールはセットにさらに時間がかかることがあります。また、ホイストスケールは多くの場合重体患者には適さず、さらに患者の尊厳が損なわれることから、あまり好まれませんでした。

緊急事態においてできるだけ早く正しい量の投薬や適切な治療を実施するためには、まず患者の体重を知ることが重要です。体重値をスピーディーに得なければならない、良好なアウトカムを確保しなければならない、そして病院到着から血栓溶解療法開始までの時間を短縮しなければならないというプレッシャーから、想定体重を代用することもありました。

ウェストロンドンの 3 つのティーチング・ホスピタルで行われた研究では、入院患者の 46% が体重を記録されていないことがわかりました。体重が記録されていないことで最も頻繁に起こる障害は、入院手続きの中断でした

別の研究では、体重による用量調整を必要とする薬を処方されたにもかかわらず、患者の 30% 未満しか体重を測定していないことが分かっています (ヒルマー他)。

解決策が見つからず、幾多の眠れぬ夜を過ごした後、ジリアン氏はこのような患者が正確で容易に、そして病院到着から血栓溶解療法開始までの時間を延ばさない方法で確実に体重測定されるために何を利用したらよいか考えを巡らせました。そしてある日、キッチンスケールからアイデアを得ました。「台所でキッチンスケールを見て、これを患者が横になるのに十分な大きさにしたらどうだろう、と考えたんです」とジリアン氏は言います。

「そういえば、入院の際に患者さんをストレッチャーからベッドに移乗させるとき、私たちはいつもスライディングボードを使っているじゃないか、と思ったんです。スライディングボードに体重計を付けてしまえばいい、と。」

これが 2008 年でした。ジリアン氏は、このアイデアをすぐには行動に移しませんでした。スライディングボードに体重計を仕込むなんてことは誰かがとっくに考えているはずだと思ったからです。しかし、何度 Google で検索してみても、そのようなアイデアは検索結果に出てきません。そして時が経ち、良い体重計は手に入りそうもないので、ジリアン氏は行動を起こしてみることにしました。

「足を負傷した患者がいました。痛みを抑えることが難しく、体重を測るために体重計まで彼の身体を移動するのは不可能でした。敗血症で抗生物質を必要とする患者も同じです。正確な投薬量を確実に知るには、早く体重を知る必要があります。それから、病院到着から血栓溶解療法開始まで一刻を争う脳卒中の場合、正確な体重を素早く知ることが、命が助かるかどうかの分かれ目となりうることが分かりました」

ジリアン氏は NHS スコットランドに彼女のアイデアを説明し、最終的にスコティッシュ・ヘルス・イノベーションズ・リミテッドと協力して試作品を製作しました。試作品はスコットランドに拠点を置く製品開発を専門とするクラマス社によって 2015 年に作成され、2016 年にマースデンに提案しました。コンセプトは完成しましたが、試作品は病院や介護施設内での使用に医療承認が必要であるため、再設計が必要でした。

この段階ですでに “Patient Transfer Scale” という呼称で知られるようになっていたこの移動型体重計は、英国の 30 以上の病院に提示され、そこで反応やフィードバックが得られ、模擬条件でのテストが実施されました。各病院の主要分野のヘルスケア専門家と、さらに幅広い分野をカバーする総合医療チームが、この体重計についての見解を述べました。

私が最初に想像していたよりもはるかに多くの病院内の分野が必要としていたソリューションが移動型体重計 PTS であったことがすぐに明らかになりました。

一刻を争う救急部、および血栓溶解療法を速やかに行う必要のある脳卒中患者だけでなく、PTS は、ICU、脊髄病棟、放射線科および高齢者介護チームで働く人々から高く支持されました。多くの病院が、最低 1 つの PTS が各病棟で利用されることを想定しました。

これら 30 以上の病院のフォーカスグループから、設計変更が必要であるとのフィードバックが送られてきました。さらに、マースデンの技術チームは、体重計が最終的に医療用として承認されるための数千回のテストに先立ち、絶対精度を確保するために体重計のレイアウト調整に時間を費やす必要がありました (2014/31 / EU非自動計量機器指令クラス III および 93/42 / EEC 医療機器指令承認済み)。

現在、PTS は世界中で使用でき、これによりもう患者の体重を推定する必要はありません。患者の体重は記録しやすくなり、それに伴う煩わしさは最小限に抑えられ、推定の必要がなく、患者のケアと尊厳が明らかに改善されました。

しかし、PTS の最大のメリットは、PTS を移乗用スライディングボードとして使用でき、従来の移乗プロセスに体重測定を組み入れることができるため、体重測定のために特に時間を割いたりスタッフを増やしたりする必要がないということにあります。

適切な治療を適切なタイミングで実施するには、患者の体重が決め手となることがあります」とジリアン氏は締めくくりました。「PTS を使用することによって、世界中のすべての病院が患者のケアを改善し、アウトカムを向上させ、自信を持って薬と治療を施すことができるようになるのです」

 

主なメリット
  • 看護師はホイストやベッドスケールを使用しなくても、自力で動けない患者の体重を即座に測定できます。
  • 患者をストレッチャーからベッドへ、またはベッドからベッドへ移動させながら同時に体重測定することで、新規のプロセスを追加することなく、従来通りの手順で処置ができます
  • 時間を節約し、治療の質を改善し、コストを節約
  • 移動や収納も簡単
ダウンロード
マースデンについて

英国の国民保険サービス (NHS) は約 50 年間にわたってマースデンのスケールを使用し、その信頼性や正確性、そしてコストパフォーマンスを評価してきました。マースデンは病院や GP、介護施設向けの英国の医療用スケールメーカーとして業界をリードしています。10 万台以上のマースデン製スケールが英国のさまざまな NHS 病院で患者へのケアの実施と改善に使用され、さらに何万台もが EU その他の地域の病院で採用されています。今までにない革新的な製品「移動型体重計 PTS 」は、患者のアウトカムとユーザーエクスペリエンスを向上させるために開発されました。

マースデンについての詳細はこちらをご覧ください。

Back to Top

Select language